2024年 外国人技能実習制度・特定技能制度 不正行為撲滅キャンペーン

監理団体、登録支援機関、受入れ企業、送出し機関及び外国人労働者の皆様
適正な外国人労働者雇用のために、不正行為撲滅にご協力ください

2024年 外国人技能実習制度・特定技能制度 不正行為撲滅キャンペーン チラシ2024年 外国人技能実習制度・特定技能制度 不正行為撲滅キャンペーン チラシ

1.
(1)2024年2月9日、両制度の改正に向けた政府の方針(技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議最終報告書を踏まえた政府の対応について)が関係閣僚会議にて決定し、同年3月15日、出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案が今国会に提出され、5月21日の衆議院本会議にて可決されました。
(2)今回制度改正が行われる背景の一つは、技能実習制度に関連して度々報道された人権侵害(暴言、暴力、給与未払い等)、失踪多発に対する国内外からの批判でした。それが故に、新制度の見直しの視点(ビジョン)の中には「外国人の人権保護」と「外国人のキャリア・アップ」が特記されています。

2.
(1)ビジネスの世界では「ビジネスと人権」の旗印の下、サプライチェーンにおいて人権侵害がないことを確保し、公表することが求められています(人権デュー・ディリジェンス、以下「人権DD」)。多くの欧米諸国では、強制労働や児童労働などの人権侵害をめぐる企業責任を問う法律(例:米国「ウイグル強制労働防止法」、独「サプライチェーン法」)が制定されており、違反者は輸入禁止や製品ボイコットの対象となります。
(2)日本では法律化はされていないものの、政府は2020年に「ビジネスと人権に関する行動計画」を作成し、2023年4月には公共工事や政府調達で「人権DD」を要件化しています。
民間では2021年に経団連が「人権を尊重する経営のためのハンドブック」を作成し、企業の意識改革、自主的取り組みを推進。日商・東商もセミナーなどを通じ、人権DDの重要性を啓発しています。その結果、人権DDを実践する企業が着実に増えています。
2022年には、愛媛の縫製会社におけるベトナム人技能実習生11名の残業手当未払い問題が表面化し、生産発注元であった衣料大手「ワコール」が実習生の支援団体に寄付金として500万円の金銭補償を行い、阪急・阪神両百貨店は当該会社より委託生産された衣服の販売中止を決定しました。また、報道によると2023年7月以降、三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクでは融資の際、サプライチェーンに強制労働などの人権侵害がないことを厳しく審査しています。

3.
(1)日本における人口減少と労働力不足問題はますます深刻化しており、設備投資(DX化)の促進と同時に外国人材から「信頼され選ばれる国」であることは、日本の将来を左右する重大な課題です。残念ながら、この2年間の円安は日本の魅力を大きく減じました。
(2)外国人材から「信頼され選ばれる国」であるためには、何よりも、日本経済の活性化と賃金増が重要ですが、人権侵害のケースを可能な限り減らすことが不可欠な時代になりました。
その為には、人権侵害が発生した際の「迅速かつ実効性ある救済措置の確立」と「違反企業に対する厳しい処分」が必要です。また、失踪の一因である借金を減らす観点から、ベトナム政府やILOが提唱する外国人材からの手数料徴収の廃止・軽減も重要課題です。更に日本の安全保障の観点(反日人材を生まないため)からも、外国人材が「日本にきてよかった」と思える環境整備(特定技能におけるキャリア・アップも含む)も重要です。

4.
(1)コロナ後の2022年春以降、下火になっていた送出機関から監理団体へのキックバックや過剰接待の再発・拡散が聞かれるようになりました。また、「技術・人文知識・国際業務」では偽造書類や虚偽申請に基づく「偽装・技人国」が増加しているといわれています。更に特定技能では、悪質ブローカーが既に暗躍しており、彼らの排除は緊急の課題です。特定技能制度で働く様々な国の外国人材から助けを求める声は、日本にある各国の支援団体等に増加しています。
(2)これらの問題への対応は、「日本政府」と「送出し国政府」の役割がとても重要ですが、「日本側の当事者」(監理団体、登録支援機関、外国人材受入企業)と「送出し国側の当事者」(送出し機関、来日する外国人材)の意識と取組みもとても重要です。

このような観点から2024年5月からの1年間、技能実習制度・特定技能制度に関わる「不正行為撲滅キャンペーン」を推進してまいります。
関係各位のご協力を切にお願い申し上げます。