政策インタビュー(4) 長島昭久・衆院議員(前GG懇幹事長)

グローバル人材共生推進議員連盟幹事長に就任へ

グローバル人材共生の政策に関わる実務者、識者らの政策インタビューの第4回はグローバル人材共生推進議員連盟幹事長に就任する長島昭久衆議院議員から、ウクライナ避難民の受け入れ、外国人材共生の意味、議連の目的などを聞きました。長島議員は前身のグローバル人材共生推進議員懇話会(GG懇)でも幹事長を務め、専門の「安全保障」とともに 子ども・子育て政策による「未来保障」を政治信条に掲げています。

ウクライナ避難民受け入れには技能実習・特定技能と共通する政策要素

―ウクライナ避難民受け入れについてどう考えますか。

長島衆院議員 この戦争は、第二次世界大戦以来の欧州における主権国家同士の軍事衝突であり、国連安保理常任理事国であるロシアが一方的に侵略したケースなので国際秩序にとって重要な局面だ。日本は北太平洋条約機構(NATO)の一員ではないが、3月23日のゼレンスキー・ウクライナ大統領による国会演説(オンライン)で「 日本はいち早く連帯を表明してくれた 」と言っていただいた。日本は支援物資を届けるだけでなく、ウクライナから逃れた方々を受け入れることもいつになく決定が早かった。受け入れの数では ポーランドなど周辺国に比べて少ないが、日本としてこの手の避難民の受け入れとしては過去最大だと思うし、(日本の)近隣国にはない。いつ戦争が終わるか分からない中で、避難民が日本に留まって生計を立てられるような環境にすることは当然のことだ。日本には戦争の避難民については「難民」とする規定がないけれど、準難民の扱い(避難民を90日の「短期滞在」資格で入国させ、 就労も可能な「特定活動」資格に切り替え、更新可能としている)で受け入れており、支持したい。その先ですが、帯同する家族の生活はどうするか、日本語の壁はどうするか、そこは技能実習制度とも特定技能制度とも共通する政策的な要素があり、しっかり対応しなければいけないと思っています。

アジアとの共生の精神がにじみ出る提言が必要

―自民党外国人労働者等特別委員会が要望をまとめました。

長島衆院議員 社会産業を支えるために外国人材を活用するというニュアンスに留まっている感じがする。アジアなくして日本の将来はないのだから、アジアと共存共栄するという視点で構えなければいけない。これからの東南アジアの経済発展と人口構成を見ていけば余剰労働力が少なくなるわけですから、日本が積極的に迎え入れていくという強い姿勢が必要です。アジアとの共生の精神がにじみ出るような提言になるように、我々の議連でそこは補っていきたい。

―議連の目指すべきゴールは何ですか。

長島衆院議員 具体的なゴールは技能実習制度と特定技能制度の整合性のとれた一貫性のある制度改革を目的に据えたい。その目的を踏まえて、何をどのようにしていくかの議論をしていかなければいけない。技能実習制度がいいのか悪いのかとか、特定技能制度との違いは何なのかとか、と言うのでなく、基礎的人材育成期間は技能実習制度、そこからの発展する実践的人材育成期間が特定技能制度ということで議論をすべきだ。外国人を受け入れる制度が2つ並列であること自体がナンセンスだ。これまでの経緯は経緯として、これからの議論はどうやって一元化させるかという点に議連は注力していきたい。

外国人材は安全保障と未来保障をブリッジする政策課題

―政治活動で「安全保障」と「未来保障」を2大テーマに掲げている。外国人材共生はどう位置づけているのでしょうか。

長島衆院議員 外国人材共生は安全保障と未来保障をブリッジするものと考えています。安全保障とは戦うとの意味だけではなく地域の安定・安全・発展を国家の協力の中でどうやって形づくっていくかということです。そのためにはアジアとの共生が一番のコアになくてはいけない。外国人材の交流によってアジアとの共生を具体化していく。外国人材は日本の未来を創っていくし、本国に帰れば本国の未来を創っていく。未来を一緒に創っていくことが外国人材に関わっている動機なので、安全保障と未来保障をつなぐブリッジだという思いで取り組んでいます。そのためにも日本語教育は重要だと思います。日本語という言語をきちんと教えるプログラムを作らなければいけない。技能実習制度と特定技能制度を一元化しながらその過程でJSL(Japanese as a Second Language)制度を作っていきたいですね 。JSL制度は言語だけではなく文化もある。日本語をアジアはじめ世界に輸出するぐらいのものにしたいと考えています。

【略歴】長島昭久(ながしま・あきひさ)衆議院議員
東京18区(武蔵野市、府中市、小金井市)東京ブロック選出。当選7回。衆議院安全保障委員会委員長、総理大臣補佐官(外交・安全保障担当)、防衛副大臣など歴任。 現在、衆院北朝鮮拉致問題特別委員長、児童の養護と子どもの未来議員連盟会長を務める。60歳。