趣意書

共に活躍できるグローバル人材共生社会をめざして

一般財団法人外国人材共生支援全国協会

代表理事・会長武部 勤

アジアは、日本にとって政治的、経済的、安全保障上、最も重要であります。近年、「日本の国柄」に憧れ、「日本を学びたい、日本で働きたい」と期待を寄せて訪れる若者が増えています。

技能実習制度は、これまで30年近く、開発途上国の人材育成策として高い評価を受けているにもかかわらず、一部の悪質なブローカーや心ない監理団体、受け入れ企業等による人権侵害が発生し、技能実習制度そのものが悪者として報道されることが多く、誠に残念でなりません。

また、全世界を覆ったコロナ禍のため、母国に帰ることもできず、コロナの恐怖と生活不安の中で、路頭に迷う外国人が続出しました。政府も40万人以上いる技能実習生の実態把握に苦慮しているのが実情のようでありました。

私たちは、弱い立場にある技能実習生を保護するために関係省庁等に要請活動を行ってまいりました。二階俊博自民党幹事長より「政府と緊密に連携し、技能実習生を適切に保護するために、監理団体の全国組織を設立してはどうか」と示唆があり、「外国人材共生支援全国協会」(グローバル人材共生ネットワーク)の設立を期し、運動を始めた次第であります。

「外国人材共生支援全国協会」の役割は、第一に、「アジアの安定と日本の持続的成長」のために迎え入れる若者たちの立場にたって外国人材受け入れ政策を確立し、「共存共栄のアジア新時代」のために、一翼を担って貢献することであります。

第二に、「技能実習制度と特定技能制度を一貫性ある制度」に改革し、「人材育成」、「人材確保」、「国際貢献」を共通の基本目的とするとともに、生活者の視点を重視し、キャリアステージに合わせた選択幅のある在留資格制度にすることであります。

第三に、悪質なブローカーや企業・団体から外国人材を守り、健全な企業等に配属される外国人就労システムを定着させることであります。

さらに、「グローバル人材共生ネットワーク」を全国各地域に展開し外国人材を適切に育成・保護・支援するとともに差別のない多文化共生社会の実現に寄与したいというのが私たちの強い願いであります。

アジアは、若さと活力に富んだ成長センターであり、アジアの安定と成長は世界平和の試金石と言われています。

一方、人口減少時代に突入したわが国においては、日本人の国際性を高め、外国人材と共に活躍できる「グローバル人材共生社会」への環境整備を国家プロジェクトとして急がなければなりません。

私たちは、高い使命感のもと、信頼される監理団体等のネットワーク化をめざし、微力を尽くす所存です。

何卒、皆様のご賛同とご協力をお願い申し上げます。